「親より先に死ねない」「介護する側が倒れては困るから」という理由でロルフィングを受けにみえる方がいます。主に50代以上の女性です。両親共に元気だったころ40代だったわたしは、「たいへんだなぁ。そりゃそうだよね」と思っていました。
が、いざ、自分がその状況に近いところに置かれると危機感がまったく違います。
先週末に母が二泊三日で入院し、急なことだったのでバタバタしてしまいました。幸い、重症ではなく、入院先も近所だったので大ごとにならずに済みました。
気力と体力が思っているより必要
自宅で、または実家や病院に通って親の介助をするのは想像以上に体力が要ります。移動中だって寝ていられるわけでもなし、自分の家の家事もあれば親の家の家事もある。すなわちやることが倍増します。
うちは父が家事能力がマイナス200ぐらいの人なので(なにかやると面倒を引き起こす。後片付けや指導やフォローにこちらの体力気力が持ってゆかれる)、たった数日でもわたしはてんてこまいでした。
父の食事の面倒をみて庭木や鉢植えに水をやり、台所や冷蔵庫の管理をし、病院対応などもあり・・・ひとつひとつの作業の強度はそれほどでもないのですが、とにかくせわしないのです。同じ市内に暮らしていても、実家はわたしの家ではないため気を遣うし、ゴミの回収日も違うし、父母の間での「いつも」がわたしにはわからない。高齢な父は状況の変化に対する柔軟性も欠けてきているので、こちらが合わせるよりない。と、まぁ、気力もかなり使います。
5の力でやれると思っていたことが12の力を出さないとならないのだとはっきり判りました。
気持ちのうえでは、30代の頃から自分はさほど変わっていないという思い込みがあります。無論、現実の54歳の体は違います。「たったこれだけでここまで疲れるとは思わなかった」と、情けなさを噛み締めました。
慣れればそこまでではなくなるかもしれません。でも、先の見えない負担倍増生活はきっとしんどいものとなるでしょう。
休息の重要性
休息が大事なのはもちろんのことです。常に気を張って飛び回っていたら、遅かれ早かれ身体は音を上げてしまいます。休む時間を持つこと、短い休みでもそこそこ回復できる身体でいたいと実感しました。
親のケアをおろそかにできないと思うのと同じぐらい熱心に、自分のケアにも熱心になったほうがよさそうです。
10年近く経って、当時のクライアントさんたちの気持ちを我が事として理解した出来事でした。
セッション料金に介護割・介助割を設定しようかなと真剣に検討しております。
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