国立科学博物館・常設展をみる

国立科学博物館

上野にある国立科学博物館の常設展に 「科博ツアー」と称して友人と行ってきました。

情報量と物量が多すぎる。まさに宝庫

国立科学博物館の常設展のスペースは 「地球館」「日本館」と分かれていて、 まずは地球館からスタートです。
地下3階、地上3階の合計6フロアもあります。 しかしわたしたちは地球館のB3とB2の2フロアをまわっただけで午後4時になってしまいました。
あまりにもみるものが多すぎる!

閉館まで30分を告げるアナウンスをきいて、あわてて駆け足で日本館の企画展、 「南方熊楠展」を観て来ました。

地球館の地下3階は、化学、物理学、天文学が好きなひとにはたまらない空間だと思います。
いろんな装置で実験ができるし、 閑散としている時には、ボランティアガイドさんが 実験装置の肝(きも)を教えてくれます。

宇宙線を可視化する霧箱

写真を撮り忘れましたが、 国立科学博物館の地下3階には 宇宙線を可視化する装置:霧箱があって、 絶え間なく地球に降り注いでいる宇宙線を見ることが出来ます。


宇宙線とは、宇宙空間を高エネルギーで飛び交っている極めて小さな粒子のことをいいます。地球にも多くの宇宙線が到来しており、大気に衝突して大量の粒子を生成し、地表に降り注いでいます。これらの粒子は、日常的に私たちの体や岩をすり抜けて地中に突入しています。
東京大学宇宙線研究所「宇宙船とは」 から引用

体や岩をすり抜ける…だと???と、半信半疑で見始めたのですが 何時間でも見ていられるほど 素晴らしい現象が目の前で起きていました。

目に見えないものを可視化することに、どれだけの人がどれだけの知識とアイディアと労力を注いできたのか。学者のみならずその装置が作れる技術もエンジニアも必要です。今では、ごくかんたんな霧箱の作り方がネット上でも公開されていますが、宇宙線が可視化できる装置を初めて作った人たちのことを思うだけでも感動的です。

人々の知的探究の軌跡もグッときますが、「見えないけれど在る」という不思議に、立ち尽くすほどの感動を覚えました。

大雪の影響はあれど、各国の小中学生がやってきていました。

物理よりもやはり生物で大興奮

そもそもこの科博ツアーは、 身体マニアを自称する者として 存分にマニア心を発露させてよし! 興味の赴くままに暴走してよし!という趣旨で企画したものでした。

物理劣等生のわたしは、やはり生物学の分野の展示に感動しきりでした。
解剖学を知ってからの目で、太古の生物の化石、骨格標本をみると疑問と興奮が尽きません。踵の位置と膝蓋骨の関係や、 亀の前鋸筋はどうなっているのかとか、 腕足動物の進化とはとか 大型哺乳類の橈骨と尺骨のねじれとか、そういうものひとつひとつに、ひっかかっては立ち止まります。
その場でスマホで調べるのは無論のこと、展示室を行きつ戻りつして見比べ、 床に這いつくばって下から骨格を見上げてみたりと、興味の赴くままにあやしいおばさんになっていました。

そんなことを誰はばかることなく やりつくせて最高に楽しかったです。

上野の国立科学博物館に展示されている大型哺乳類の骨格標本
腸骨がほとんど壁の大型哺乳類

インターネットだけでは学べないことだらけ

疑問に思ったことをすぐにネットで調べられるのは便利な時代だと思いますが、ほんとうに知りたいことにはネット検索だけではたどり着けないということも実感しました。
わたしが抱くような疑問など、おそらく専門家がとっくに答えを出しているはずです。しかし瑣末な事柄だったり、それだけで論文のトピックにはなりにくかったりするのでしょう。ちょっとやそっとの検索では、求める解にはたどりつけません。なんども「この専門の先生に訊きたい!」と頭を抱えて悶えてしまいました。

もうひとつ実感したのは、わたしの興味や喜びの根は、科学的なものにあるということでした。
昭和の中頃に生まれたわたしはやはり科学の子なのです。科学が万能とは思っていません。が、この世の真理を科学で探究することに、かぎりない喜びを感じます。

国立科学博物館はまさに国の宝、叡智がつまっています。ぜひ一度足を運んでみてください。

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