西洋スタイル/日本スタイル

ロルフィング・10シリーズセッションのモニタークライアント:Mさまから、セッション6のご感想をいただきました。わたしのiMacの調子が悪くてなかなかご紹介できず、2週間ぐらい経ってしまいましたが、今回もとても興味深いご感想をいただいています。下記に全文をご紹介します。

今回は「背中側」がテーマ。背中で頑張ってしまう癖のある私は、絶対痛いやつ、、、と少し覚悟していました。案の定、ふくらはぎでは思わず「痛いーー!」と初めて言うほどのでした。ただ、その他の多くの場所では「絶対ここ痛い…!」と表面を触れられた瞬間は身構えるのに、実際はもっと深いところに圧が入っていくため、予想ほどの痛みはなく、不思議と耐えられる感覚の連続でした。
半身が終わって立ってみると、施術した側の床がふかふかと盛り上がったような感じがして、全然バランスが取れません(笑)。全身が終わった後は、背面がリラックスしすぎて後ろの支えがなくなり、前腿が頑張る状態に。後ろに重心を持って行ったら何も支えがなくて倒れそうで少し怖さもありました。その後、仰向けで全身の調整をしていただき、再び立ってみると、前後のバランスがしっかり整い、全身に実体が戻って足にしっかりと重みが乗っている感覚になりました。

今回はたまたま自転車ではなく徒歩で向かったため、施術前後の歩き方の違いをはっきり感じることができました。そもそも普段から歩き方には何らかの意識を持って実験しながら歩いているのですが、今は日本舞踊にハマっているため、施術前は膝と股関節を緩め、お尻を自然に下ろし、頭が上に伸びるイメージで歩いていました。ところが帰り道は、自然に胸が開き、足裏がどっしり地面をとらえ、さらに日舞の先生から「確かに反り気味にはしたいけど、腰を入れずに反っちゃダメ」と言われていた動きが、自然にできているのに気づきました。

これまで私は、西洋型のように地面を踏んだ反力で頭まで軸が伸びる感覚で颯爽と歩くスタイルが好みでした。そのため、日本舞踊のように膝を常に緩めて腰を入れてすり足で歩くことに、正直「どうなの…?」と思っていたのですが、実はとても合理的で、体を緩めて歩ける方法なのかもしれません。そして、普段の歩きにこの緩める感じを取り入れても自然に見えるし、むしろ心地よいと感じられるようになりました。

 明治以降、身体の使い方や姿勢を西洋スタイルに寄せる教育が日本ではなされています。たとえば、右手と左脚、左手と右脚をそれぞれ連動させて歩いたり走ったりするようにわたしたちは教育されます。上半身と下半身とは反対側(はんたいそく)を使う。それに応じて爪先と足裏で地面を押し、その反力を骨盤を通して背骨に伝えつつリズミカルに歩くのが、「合理的でよい」動作として刷り込まれます。また、脊椎はS字カーブ、膝はロックしすぎず、胸が開いている状態が「よい」姿勢の指標です。
 ロルフィングはアメリカ発祥なので、この価値観を色濃く持っています。反対側を使った動きが滑らかにできているかどうかは、重要なチェックポイントでもあります。
 しかし、これもまた歴史的な文脈のなかで見れば相対的な価値観にすぎないということを、今回いただいたご感想で改めて強く感じました。

セッションビフォーアフター

セッション2の前の画像では、左右の前腕が身体の前の方に隠れています。また、真ん中に鉛直線をひいてみると、下にゆくにつれて左右バランスの差が大きくなっているのが見てとれます。
セッション6は背面を中心に施術します。セッション6の後には肩甲骨がくっきりと浮き上がり、首がゆるやかに立ち、腕と体側の間にスペースができているのがわかります。

次のセッション7では頭蓋(とうがい)、頸部が主なワークの対象となります。どんな展開が待っているのか、楽しみです。

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    ABOUT US
    Izume Rika認定ロルファー Certified Rolfer
    40代に入った途端に股関節を傷めてしまい、大学病院で手術を受けたのに杖なしでは暮らせない…そんな状況からロルフィングで普通の暮らしをとりもどしました。自らロルファーとなって2016年4月に東京で開業。小金井市で施術しています。