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臼蓋形成不全のこと(1)

股関節画像

股関節唇損傷

私は股関節唇を損傷してその縫合手術を受けたことがあります。
股関節唇とは、簡単に言うと、骨盤から大腿骨の頭がはずれてしまわないように止めている、輪になったゴムパッキンみたいな軟組織のことです。

股関節唇損傷は、腰を落としてしゃがみこむ姿勢の多い野球選手や、スイング時に片方の股関節にばかり強い力がかかるゴルファーにも多いそうです。私の場合、おおもとの原因は臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)だろうというのが、医師の見立てでした。

しかしこんなにすぐにこの診断が下ったわけではなく、股関節唇損傷と判明するまで実に7軒もの病院をまわりました。

2011年7月の或る日突然右股関節に激痛が走り、歩行すら困難になってしまい、近所の整形外科に文字通り這うようにして行ってレントゲンを撮りました。

「軽度の股関節形成不全があります。先天性のものでしょう。
大腿骨の頭がはまる骨盤の方のくぼみが浅いのが臼蓋形成不全です。大腿骨が外れて脱臼を起こすほどではないけれど、たぶん軟骨がすり減ってきていて痛むんでしょう。レントゲンでは軟骨はまだしっかりあるように見えますけど、そんなに痛いのはおかしいですねぇ。ま、安静にして、床に座ったり階段使ったりしないように。」と言い渡されておしまいでした。

本当に痛くてたまらない状況で、歩くのもやっと。階段は下りる時に一段一段激痛がはしるために使えず(上りは平気)、公共交通機関を使っての移動はほぼ絶望的で、当時勤め始めたばかりだった事務所(最寄駅が長い階段しかない。事務所も雑居ビルの6ー7階の2階に分かれている構造)を辞めざるを得ないほどでした。

臼蓋形成不全の兆候

自分が先天性の股関節形成不全だなんて知らなかったのですが、ふりかえればいくつものことに合点がゆきました。

まず、高校生のころから、クーラーや薄着などが原因でうっかり脚を冷やしたらその日の夜は股関節が痛くなり、眠れなくなる。馬に乗ってもあぶみに右足をさしいれることができない。小さいころから水泳の平泳ぎの脚のフォームが正しくできない。物心ついたころから「やばい。股関節が外れる」という感覚になる時がある等々。
これらを私は特別なことと思わずに過ごしていました。

母曰く、私は乳幼児のころに「もしかしたらこの子は股関節の形成不全があるかもしれない。成長過程で痛みや違和感を訴えたら連れてきなさい」と申し渡されたことがあるそうですが…
我が家では痛みや違和感は我慢するのがエライ!という教育方針だったので、訴えてもとりあってもらえませんでした。
そんなわけで発覚が遅くなったのです。

変形性股関節症の痛みには打つ手なし?!

先天性股関節形成不全は私にとっては寝耳に水としか言いようのない宣告でしたが、まあ、ひとつ原因はわかってよかった。

ではこの形成不全のせいで傷めてしまった軟骨の痛みに対しては何ができるのかな?とネットで調べれば調べるほど「何もできない」ということがわかりました。
変形性股関節症になったら、人工関節にしないかぎり痛みからは解放されない。保存療法もあるけれど、それは人工関節にするまでの時間稼ぎだ…という情報ばかりがヒットしてきて、え。そんなに大変なことなの?とびっくりしてしまいました。

重度の形成不全の場合は、若いうちに「骨切り」という自分の骨を活かす手術も選択肢に入れることができます。が、骨の成長がとっくに終わった40歳を過ぎてからそんな大掛かりな手術はしたくありませんし、それで生活の質が改善されるようには思えませんでした。

長くなるので複数回に分けます。


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    ABOUT US
    Izume Rika認定ロルファー Certified Rolfer
    40代に入った途端に股関節を傷めてしまい、大学病院で手術を受けたのに杖なしでは暮らせない…そんな状況からロルフィングで普通の暮らしをとりもどしました。自らロルファーとなって2016年4月に東京で開業。小金井市で施術しています。