認定ロルファー™の利香です。
美容院でシャンプー台で仰向けになる時、いつも首の置き所に悩みます。置き場所が悪いと気持ちが悪いし、台の縁がぐっと首と頭のさかいめに食い込んでくるし、長めのシャンプーはしんどく感じます。シャンプーそのものは気持ちいいのだけど、首の違和感が苦手です。

日常に潜む危険
美容院のシャンプーは気持ちよくてリラックスできますが、時にそれが原因で、めまいや吐き気を訴える人がいます。「美容院脳卒中症候群」と呼ばれるこの症状、どのようなものなのでしょうか?
情報源: 美容院のシャンプーで体調を崩す「美容院脳卒中症候群」 吐き気やめまい、痺れなども|ニフティニュース(※2019.1リンク切れ。元記事が削除されたようなのでリンクを解除しました)
上記の記事に書かれているように、脳へと血流をおくる大きな動脈を圧迫してしまうので血流が悪くなる、血管内のプラークが剥がれて血栓となり血管が詰まる、といったリスクも大きいようです。30年近く前ですが、美容院でのシャンプーがきっかけで脳に障害をおこして亡くなった人が、母の知人にもおります。シャンプー後に倒れて緊急搬送されてそれっきりとなってしまわれたとのことです。
その当時に比べシャンプーボウルは首への負担が少ないものになってきているように感じますが、施術をしてくれる人はどうでしょうか?頸椎周辺にある動脈や神経の位置や重要性を、認識してくれているでしょうか。
頭を強く圧迫するマッサージに呆然
マッサージが好きで、クライアントとして受けることも時々あります。四肢へのマッサージがうまいので通っていたところがあったのですが、ある時、タオルで首から上をぐるりと包まれたかと思ったら、力任せに左右に捻り上げられました。回旋させる方向に無理があり、かける力が強すぎました。唖然としているうちに今度はそのまま側頭部を強く押され、さらに仰天しました。蝶形骨をそんなに強く押さないで!目がつらい!頭をこんなスピードで雑に扱ってなにがしたいの!?と怒りすら覚えてしまいました。
自分がいま・なにに触れているのかをはっきり認識していたら、こんな強烈な圧と早さの施術を頸部と頭部にできるわけがない。そう思って通うのをやめてしまいました。
頭部の筋肉と骨は薄くて繊細

頭蓋骨は、何層かに分かれた、スイムキャップみたいな薄い筋肉に覆われています。頭の筋肉は薄く、すぐ下にはもう骨があります。その骨の下には、脳脊髄液に浮かぶ脳がいます。生きている脳は充填豆腐のようにやわらかい神経の塊です。気圧の変化でも影響を受けてしまうほどなのに、強い圧をむやみに加えるのは危険だとわかっていただけるかと思います。

脳だけではありません。骨の特徴も考えてほしいです。頭の骨はひとつではなく、いくつもの細かいピースが寄り集まってできています。それらの骨の特質も考慮しないと、よかれとおもってやったことが裏目にでます。孫悟空じゃないけど、頭をぎゅうぎゅう締め上げられたら痛いし、きついサイズの帽子を被っていたら気分が悪くなりますよね。
赤ちゃんの頭はやわらかく、隙間だらけです。生まれた時には頭蓋骨を構成する各ピースの間の隙間が大きく、
骨そのものも柔らかい。大人になるにつれて骨は成長し、硬くなり、各ピース同士がかっちりとはまります。

各ピースのつなぎめは、それぞれが固有のリズムで異なる方向にむかってかすかに動いています。まるで呼吸しているかのような動きは、心臓の鼓動とも、肺でしている呼吸とも異なるリズムを持っています。(このリズムを一次「呼吸」といいますが、肺で行う空気の出し入れではありません)
頭の骨は、必要があるから動いているのです。それを力任せに押したり、一次呼吸のリズムを無視した強い圧を加えたりしたら体調も悪くなろうものです。
また、顔の骨は薄くできています。
火葬の後に骨上げをしたことがある人ならわかると思いますが、ご遺体の頭蓋骨がまるで模型のようにそのまま炉からでてきたりはしません。頸椎や骨盤、大腿骨などは比較的形を留めて残ることが多いです。でも、頭部の骨で形を保っているのは下顎骨くらいです。それほどまでに頭部の骨は薄くて繊細です。
施術する人が解剖学を学んで理解しているとは限りません。
身体に触れる施術を受けるなら、価格や立地だけで選ばず、施術する人の身体に対する理解度で選ぶのが大切です。
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