自ら痛みや病を作り出し、患者でいることのメリットを享受している状態というものがあります。
わかりやすい例は、学校や会社にゆきたくなくて体調不良になることです。実際に熱を計れば熱があったり、めまいや胃痛、嘔吐といった身体症状があったりする。でも、おやすみが決まれば元気になる。
弱々しく横になっていたら、家族や伴侶、友達、上司や同僚、みんなが優しくしてくれる。「だって病気だから」を口実にすれば、チャレンジしなくても済むし、嫌なことを回避できてしまう。実に安全な世界です。病気を免罪符にすれば「誰も悪くない」と言えるので、自分も他人も悪者にならずに済みます。
嫌なこと、苦手なことをやらされてるとこれは発動します。口ではいやだと言えない時に、身体が代わりに「いやだいやだ!無理!」と言ってくれている状態です。
それを「わがままだ」「社会に適応できないのはけしからん」という理由で抑えつけても意味がありません。なぜなら、嫌なものは嫌だし、原因がなくならないかぎり繰り返してしまうからです。
抑圧していると、そのうちもっといろいろな病気を起こすようになります。自分の望みを無視して、安全で無難な選択肢や正論だけに沿って生きるようになると、不調は増えます。病院にゆき、薬を飲み、行動範囲をせばめ、社会をせばめ、視野をせばめ、更に不調は増えてゆく。負のループが起こり始めます。
わたしはロルファーになるまで常に謎の不調に悩まされていました。毎日11時過ぎから発熱し、15時すぎまでふぅふぅいって赤い顔をしていました。いくつかの病院にかかっても原因はわからずじまいでした。しかし、実際に熱はでるし頭もぼんやりしてしまうので会社をやめる。しばらくするとその症状は治ります。再び働き始めるとまた同じ症状が出て悪化し、退職すれば回復するの繰り返しでした。
ロルファーとして自営業になってからはこの症状はなくなり、膝の不調(先天的なもの)と更年期障害に少し手を焼く程度です。
こういう状態は誰にでも起こることです。
本心で望んでいることと、理屈や世間体や常識で考えて「こうすべき」としたこととがかけはなれているのではないか?こうおいう視点からも身体の不調をみてほしい。病気を、排除すべきイヤなものとしてみるのではなく、病人であることで得ているメリットをみる感じです。自分責めも不要です。また負のループへ迷い込んでしまうだけです。
いったん迷い込んだ負のループから脱けだすお手伝いも、ロルフィングができるかもしれません。
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