オーダーメイドの施術という言い回しの裏に

自宅に入っていたチラシに 「オーダーメイドの施術を受けてみたくありませんか?」というキャッチコピーがありました。
オーダーメイドじゃない施術があるの?!と目を剥いたのですが、考えてみたら、いわゆるリラクゼーション系のものは「コースありき」でした。

マニュアルが決められている理由

 クイックマッサージもそうです。お店によって、どこから触り始めて何分程度かけるのか、どんなことをするのかというマニュアルが決められています。
 チェーン店ではない個人経営の店舗でも、施術者の自由裁量に任せられている範囲は狭いように感じます。「この前の担当者と施術内容が違う」というクレームがお客さんから入るのを防ぐためという話も聞きました。
 どんなお客さんにも・どのスタッフが施術をしても、均質なサービスを提供できるようにという意味でマニュアルは必要なのだとは思います。受け手としても、「どこにどんな風に触られるんだかわからない」という不安を、都度感じなくて済むメリットは確かにあります。

 これはマッサージ業界の方から教えていただいたのですが、「決められた手順での施術しかできない施術者もいるんです」というちょっと笑えない事実があります。他人の身体に触れて自分の判断のもとに施術の内容を組み立てることができない、ということです。そんな人に身体を触られるのは怖いですよね…。

画一的な施術はいいことなのか

 人の身体は文字通り千差万別です。

 同じ人でも日々刻々と違う状態なのに、画一的な施術がまかりとおっているのは果たしていいことなのか。そもそも、誰の・なんのための施術なんだろうかと考え込んでしまいます。
 施術を受ける側も、自分の身体は工業製品ではないのだから、いつも同じ流れ作業みたいな施術を受けて喜んでいる場合ではありません。自分の身体を丁重に扱うことは贅沢でもワガママでもなくて、やってしかるべきことです。

 「オーダーメイドの施術」をキャッチコピーとなる現状を考えてみると…
 これは「ひとりずつ身体が違うのだから、人や日によって施術をアレンジします!」という宣言だったり、「うちは流れ作業のクイックマッサージとは違うんです!」というアピールになりえるわけです。そんな現状がマッサージ業界にはあることが空恐ろしく感じられます。
 熱心で腕もいいマッサージセラピストもたくさんいると思いますが、残念なことに業界のマジョリティはそうではないのかもしれません。

 

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    Izume Rika認定ロルファー Certified Rolfer
    40代に入った途端に股関節を傷めてしまい、大学病院で手術を受けたのに杖なしでは暮らせない…そんな状況からロルフィングで普通の暮らしをとりもどしました。自らロルファーとなって2016年4月に東京で開業。小金井市で施術しています。